ミエナイモノとあそぶプロジェクト − 『もるめたも』 あそびとまなびの観察ノート <2021>
Reframe Labがこの1年取り組んできた「ミエナイモノプロジェクト」から、一冊の本とアニメーションが生まれました。
【アニメーション&絵本『もるめたも』とは?】
それまで「自分」だと思っていたものが、あるとき水に、鳥や風に、土中の菌から宇宙にまで変容していくメタモルフォーゼ(変容)の物語。
物語の原作はReframe Lab、絵本・アニメのビジュアルを担当するのはアーティストのひらのりょう氏、音楽はOLAibi氏、ナレーションにコムアイ氏を迎えて制作しました。
【絵本・アニメーション『もるめたも』コンセプト】
自分の内なる宇宙を感受し、外なる宇宙と遊ぶもし、いま子どもが孤独や寂しさを感じていたら、この世界に疑問を持っていたら、私たちはどう向き合うのが良いでしょうか? 疑問を感じること自体が、その人のもつ力でもあります。いま目にうつる世界がすべてではなく、想像力を育み、様々なものの見方を増やすことで世界が広がっていく可能性もあります。自分の中にある、あらゆる経験と感情(喜び、安心、怒り、不安、混乱)は、自分を知るとても大切なサインであり、いつか自分の糧となるかもしれません。それらを「内なる宇宙の宝物」ととらえて感受しながら、海から空へ、森、土、火などが連環する「外なる宇宙」と遊んでみる。いつのまにか、自分の体が水になり、鳥になり、虫になり、宇宙の一部にまでなってしまう。そんな変容(メタモルフォーゼ)の物語『もるめたも』をつくりました。
遊びと想像力で、この世界を謳歌する
新型コロナウイルス感染拡大をはじめ、自然災害や経済問題などによる社会的混乱や危機は、私たちの身体や心にも大きな影響があると知られています。それは実際に危機に直面したかどうかに関わらず、メディアの報道など間接的な体験からも生じます。そのとき子どもにとって重要なのが「遊びと想像力」であり、子どもと関わる大人による適切な関わりであることが研究で明らかになっています。こうした誰にでも起こりうる心の傷の影響を正しく理解し、適切に関わることは「トラウマインフォームドケア」と呼ばれています。そこで私たちは、誰もが持つ「遊び」の力を手がかりに、これからの社会を「目にうつるもの」だけではなく、生命と非生命、心、異世界といった「ミエナイモノ」への気配を感じ、想像し、多様なる自然を行き来するプログラムを立ち上げました。
【絵本&ガイドブック『もるめたも あそびとまなびの観察ノート』】
『もるめたも』の物語を絵本で展開したブック『もるめたも あそびとまなびの観察ノート』を無料で配布しています。
(『もるめたも あそびとまなびの観察ノート』より)
絵本に加えて、Reframe Labが開発してきたワークショップのあそびかたガイドを掲載。五感を使って『もるめたも』の世界に入っていくヒントをお伝えしています。
(『もるめたも あそびとまなびの観察ノート』より)
また「あそびの可能性」をテーマに、Reframe Labメンバーであり児童精神科医・小澤いぶき執筆による、子どもとの適切な関わりを促す「トラウマ・インフォームドケア(非専門家が行える心のケア)」をはじめ、神話学者の石倉敏明氏、ミュージアムエデュケーターの会田大也氏、能楽師の安田登氏、発達心理学の専門家の新井陽子氏など、多様な領域の方々によるコラムを収録しています。
(『もるめたも あそびとまなびの観察ノート』より)
*ブックのフルバージョンPDFデータをお送りします。